<< July 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< On the Status of Integral Politics | main | インテグラル理論研究会特別編:AIの未来と社会 >>
JATP・JTA合同大会 - 未来をつなぐ トランスパーソナル 原点・課題・展望

JATP・JTA合同大会

未来をつなぐ トランスパーソナル 原点・課題・展望

 

日本トランスパーソナル心理学 / 精神医学会

日本トランスパーソナル学会 合同大会

未来をつなぐ トランスパーソナル 原点・課題・展望

 

夢の共催、ついに、実現!

それぞれの道を歩んできた

日本トランスパーソナル学会と日本トランスパーソナル心理学/精神医学会の 共催による学術大会が

いよいよ開催されます!

http://transpersonal.jp/jatp_jta_taikai/

 

今年11月26〜27日に相模女子大学で開催される日本トランスパーソナル心理学・精神医学会と日本トランスパーソナル学会の合同大会のシンポジウムに登壇することになった。

4人のシンポジストがそれぞれに話題を持ちより、まずそれについて20分ほどの発表をしたあと、それに関して議論をする形態をとるとのことだ。

どのような話題をとりあげようかと思案した結果、欧米におけるインテグラル・ムーブメントの現状に関する批判的な考察を呈示することにした。

欧米では、1995年に『進化の構造』(Sex, Ecology, Spirituality)が発表されると、各界から非常に大きな反響を集めることになった。

その後、間もなくして、そこで呈示されたインテグラル思想を基盤として、研究と実践を推進するための機関であるIntegral Instituteを設立するための準備作業が開始されることになる。

当時、わたしもサン・フランシスコ・ベイ・エリアのインテグラル・コミュニティに参加していたこともあり、そのときの熱気を鮮明に記憶している。

ただ、その後、どういうわけか、コロラド州のボウルダーに設立されたIntegral Instituteを中心にして展開された活動は、徐々に「勢い」を失うことになる。

わたしも2000年代中盤までは、ひんぱんに合衆国に足を運び諸々のイベントに参加をするようにしていたのだが、コミュニティの空気に漠然とした違和感を覚えはじめ、しだいに距離をとるようになっていった。

周知のように、ケン・ウィルバー(Ken Wilber)を中心として形成されたインテグラル・コミュニティの在り方にたいしては、これまでにもFrank Visserが主催するIntegral Worldで活発な批判的な議論がおこなわれてきているが、ただ、その考察の内容はあくまでも学術的なものであり、インテグラル・コミュニティが今日の時代状況の中で思想運動として存在意義を失いはじめていることの本質的な理由を明らかにしえていないように思われる。

端的に言えば、批判する側も批判される側も同質の盲点に絡めとられているように思うのである。

今回のシンポジウムでは、このあたりのことを少し掘り下げて発表してみたいと思う。

 

発表要旨

トランスパーソナル思想の課題:インテグラル理論の視点から

鈴木 規夫

インテグラル・ジャパン

 

1995年のSex, Ecology, Spirituality(邦訳『進化の構造』)を契機として、それまでトランスパーソナル運動の中心的存在のひとりと活躍したケン・ウィルバー(Ken Wilber・1949〜)は、本格的に「トランスパーソナル批判」をはじめ、それを超克する新たな思想的・理論的な枠組としてインテグラル理論といわれる独自の思想・理論を提唱しはじめた。以降、これまで20年にわたり、Integral Instituteを中心にして多数の関係者を巻き込んで活動を展開しているが(例:書籍や研究誌の出版・イベントの開催・企業組織や自治体にたいするコンサルティング)、ここにきてインテグラル・コミュニティは思想運動として深刻な行きづまりを経験しているように診うけられる。そこには、これまでにもたびたび指摘されてきたように、共同体そのものが圧倒的な存在感をもつカリスマ型のリーダーにより牽引されてきたことにくわえて、インテグラル理論にたいして批判的な意見を持つ関係者との対話に消極的であったことの弊害が少なからぬ影響をあたえているように思われる。ただし、それ以上に重要なのは、同時代の集合的な課題や問題にたいして積極的に関与していこうとする当初の意図が、実際には、同時代の重要な利害関係者と友好的な関係性を構築・維持することを必須の条件であると解釈された結果、社会にたいする真に批判的な分析やアプローチをすることを関係者に困難にしていることにあるように思われる。そのために、同時代の状況がどれほど病理化しようとも、その根本的な問題を指摘することに躊躇せざるをえないという状況に陥ってしまっているように思われるのだ。本発表では、発足20年を迎えたインテグラル・コミュニティが現在直面しているこうした課題について、これまでにその内部関係者として関わってきた者の視点から省察したい。

 

Trackback URL
http://norio001.integraljapan.net/trackback/233
TRACKBACK